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地獄のしゃちょーのブログ
味を安定させるって言葉、嫌いなんだよね
よく「味がブレないですね」とか、
「いつも安定してますね」と言ってもらえることがあります。
ありがたい言葉です。
でも、僕はよくこう言います。
「味を安定させるって言葉、実はちょっと嫌いなんだよね」
もちろん味を崩すつもりは一切ない。
でも“安定”っていう言葉には、なんとなく止まってる感じがある。
昨日と同じ味を出すっていうのは、
昨日をなぞることじゃない。
その日その時の気温、湿度、タレの立ち上がり、スープの濃度。
毎日少しずつ違う中で、同じように感じる味に仕上げること。
それを「安定」って一言でまとめられると、
なんか…雑な感じがする、と。
毎日、鍋の前で少しずつ合わせにいってる。
細かいとこまで気にしてる。
だからこそ、「変わらない」と感じてもらえてるんだと思います。
止まったら終わり。
僕はそう思っています。
15年の感謝の一コマ
15周年の感謝祭、
あっという間に過ぎていきました。
いつも来てくれるお客さん、
久しぶりに顔出してくれた人、
初めて来たけど雑炊でやられたって笑ってた人。
なんか全部、ありがたかったです。
で、その感謝祭のタイミングで、
まるで打ち合わせたかのように――
テレビの取材依頼が来ました。
でも、実際は15周年と全然関係ない企画らしくて。
番組のほうでやってる、あるテーマにうちがハマった…って感じみたいです。
別にテレビ出るためにやってたわけじゃないし、
“今だけ映えること”はやってない。
ただ、15年ずっと、
この担担麺を作って、出して、
食ってもらって、また作ってきただけ。
でも、たまたまカメラが回った日も、
その前の日も、今日も、たぶん明日も――
味は同じでありたいなと思います。
地獄の担担麺は、誰に向けてじゃなく、
いつも、自分のために本気で作ってる一杯だから。
15年のうちの、ひとコマ。
そんな日が、少しだけ特別に感じました。
― 地獄のしゃちょー